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The Engine:Ferrari 365GT/4BB

The Engine:Ferrari 365GT/4BB

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定価 : ¥ 3,465
販売元 : 二玄社
発売日 : 2005-10

価格 商品名 納期
¥ 3,465 The Engine:Ferrari 365GT/4BB 通常24時間以内に発送
自動車書籍史に残る名論文

「かくして」シリーズや「極上中古車を作る方法」を通して著者のファンになりました。今回は今までの著作とは一転、浪花節や私情は一切排除した参考書的でオーソドックスな文体に驚かされました。まさに論文といった体で、その淡々とした文調は、BBエンジンのレストアに一層の迫力と真実味を帯びさせています。エンジンをレストアする方は多くあれど、それを通してここまで設計者の思惑、生産者の事情、機械的な優劣を論じることができる自動車評論家は福野氏ただ一人でしょう。英語併記なので、世界中でこの本が参考書として名記録として残ることを標榜しているはず。実際に読めば、その目論見が外れないであろうことが分かります。できればボディ編、内装編なども続々出していただきたい・・・。

傑作だが校正ミスが惜しい

本自体は素晴らしいのだが、技術用語のミスが目立つ。「摩耗抵抗」(88ページ)は「摩擦抵抗」、「差動制退装置」(114ページ)は「差動制限装置」の間違いだろう。ここまで書ける人がこんな簡単な技術用語を間違えるはずがないから、校正ミスであろう。聞くところによると福野氏はいまでも原稿を手書きしているらしい。手書き原稿をワープロに打つオペレーターがクルマのことをあまり知らないのではないか。この人の著書にはとにかく同様の校正ミスが多い。本人の知識や能力に編集者がついていけてないのだろう。編集者に恵まれない著述者は悲劇である。近年ない力作だけにあえて苦言を呈した。

機械好きならば買って損はしない!

福野礼一郎氏が、イギリスから一台のFerrari 365GT/4 BBを輸入し、徹底的にレストアを行う過程を、エンジンに絞ってまとめたのがこの本。内容的に、単にレストア作業を追うだけではなく、各部の機構や、設計意図にまで踏み込んだ解説がじっくりと読ませる。
この解説中には、容赦なくこのエンジンの持つ設計的問題点を指摘した文章もあるが、同時代の似た機構を持つ他のクルマとの比較検討もなされており、説得力のある内容となっている。
レイアウトも秀逸で、実車のパーツ写真、解説、及び実車のパーツリストから抜粋の組み立て図がバランス良く配されており、各機構の構造と動作を思い浮かべながら読むことが出来る。
無い物ねだりを言えば、多分英文版を意識したのだろうか、レストアにまつわる苦労を極力さらっと流してしまってクールに過ぎる文章となっている点。例えば、シリンダスリーブを再製作したり、バルブシートを再製作の上打ち替え、同時にヘッド側を再削正するなどしているが、このあたり多分七転八倒していると思われるのに、単に「再製作した」と一言で済ませている。当方、「極上中古車を作る方法」のトーンを期待していたので、やや肩すかしの気味があった。ただし、この本の全体を貫くトーンからすれば、正しい取捨選択である、と言うこともできるかとは思うが‥。
蛇足ながら、実車入手の経緯については、二玄社ムックの「クルマの神様」の併読をお勧めする。(amazonでは入手不可。もっとも、この本の購入を考えられるような方ならば、当然入手済みと思われるが‥。)

世界的にも通用する貴重な1冊

フェラーリBBの本だとかエンジンレストアの本だと思うと、BBやレストアに興味のない人は敬遠するかもしれないが、例によって福野氏の考察は深く広範囲に及んでいる。いままで明かされることのなかった当時のフェラーリの設計技術/生産技術の真相、優れているところ、ダメなところなど、部品をビス1本までバラして眺めたからこそ分かる新事実が盛りだくさん。圧倒的な雰囲気を持つ写真も見応え十分だが、読み物としても非常に読み応えある。確かにこんな本は世界初だろう。英語も併記されているから、世界中で売れて欲しい。ようやく日本でも、世界に通用する自動車関連書籍が生まれたことが何より嬉しい。


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